琉球ガラスの作り方-設備編-るつぼ換え(前編)

日誌当番

2008年09月10日 12:52



さて、この職人さんたち、暑いのに長袖・長ズボン、さらに顔を覆って何をしようというのでしょうか。

今回は、溶解窯の「坩堝(るつぼ)」の交換です。
坩堝は溶解窯の中に設置されて、ガラスの原料を入れて溶かす器です。
琉球ガラスはガラスの色の種類が多く、当然ながら色毎に坩堝を分けて溶かすので、溶解窯に設置される坩堝の数も多くなります。
坩堝は耐火煉瓦と同じような材質でできているため、割れたりするので交換をしなければなりません。

上の写真は坩堝の交換作業をする職人さんたちの服装。1,300℃を超える溶解窯に近づいて坩堝を交換するので、熱を避けるために暑くてもこんな格好をしなければならないわけです。



まず、坩堝の周りの耐火レンガをバールのようなもので壊していきます。




耐火煉瓦が崩れていくとだんだんと溶解窯の炎が見えてきて、作業する職人さんたちを赤く照らすようになります。




耐火煉瓦がほぼ取れて、坩堝全体が見えるようになってきました。




きれいに耐火煉瓦を取り除いて、坩堝を取り出します。




取り除いた耐火煉瓦は真っ赤です。




取り出す際には写真のように丸太を取り付けた台車を使い、丸太の先を坩堝の口につっこんで引っ掛けるようにして取り出します。




取り出した坩堝は真っ赤。落とさないように慎重に工房の外へ運び出します。




工房の外へ運び出した坩堝は、冷めるまで待ってから処分します。
この写真を撮影しているときも、坩堝の熱が顔に迫って来る感じです。




坩堝を運び出した後の溶解窯。火柱が立っているのが見えます。


後編に続く

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